１％の家庭が中国全国の富４１％を掌握…新華社が掲載後に削除
新華社が運営するニュースサイト「新華網」8日、中国では1％の家庭が全国の富の41．4％を掌握しているなど、格差問題の深刻さを改めて指摘する解説記事を掲載した。ただし、同記事は日本時間午後5時20分までに削除された。理由は不明。
記事は世界銀行の調べとして、米国では人口の5％が国の富の60％を掌握、中国は1％の家庭が国の富の41．4％を掌握してと指摘。「中国の富の集中は米国をはるかに越えている。世界上、貧富の両極化がもっとも深刻な国のひとつだ」などと主張した。
同記事は業界間の格差問題、官僚の利権集団と市場を独占する利益集団の問題にも触れた。さらに、中国では「格差」を表すジニ係数が2009年には0．47に達したと指摘。
ジニ係数は0．2－0．3で「相対的に富が平均的に分配されている」、0．3－0．4で「比較的合理的に分配」、「0．4－0．5で「格差が大きい」、0．5以上で「極めて偏りがある」とされる。一般的に「警戒ライン」とされるのは0．4。中国のジニ係数は改革開放初期の30年前には0．28で、上昇が続いた。欧州や日本におけるジニ係数はおおむね、0．24－0．36の範囲に収まる。
同解説記事は北京大学の夏業良教授が、署名入りで寄稿した。新華網以外の多くのニュースサイトが転載したが、新華網以外のサイトでは、現在も掲載されている。（編集担当：如月隼人）
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0608&f=national_0608_058.shtml
