中国の爆竹=日本の豆まき?
中国では「節分に豆をまく」という習慣はありません。しかし、「入り込もうとする鬼を払う」という思想は中国の習慣の中に生きています。
最近では禁止されつつありますが、春節ではおなじみの爆竹。あれも、元々は大きな音を出して鬼を追い払うためのものだったようです。
その他、門柱に縁起のよい言葉や神様の絵を貼ったりする習慣も、やはり「鬼に入り込まれないように」という思想から来ています。
「節分」が年に1回になったわけ
話は最初に戻りますが、年に4回あったはずの「節分」が、なぜ年に1回だけ「立春」の前日にだけ盛大に行われるようになったのでしょうか?
それは「立春」が春の始まりだからです。春の始まり=1年の始まりととらえられ、「立春の前日」は「節分」であるだけでなく1年の境目ととらえられて特に盛り上がるようになったと推測されます。
結局、「節分」って日本語?中国語?
「節分」は日本語です。日中辞典で「節分」を引くと「立春の前日」という直訳が載っていますし、「節分」と漢字で書いて中国人に見せても意図がきちんと伝わらないでしょう。
「節分」という習慣のもともとの思想は中国から伝わったものですが、日本の文化の中でアレンジされ育まれてきたのが、現在の日本の節分であると言えるでしょう。
節分に鰯の頭やヒイラギなどを飾るという習慣は近代から始まったようですし、関西発祥の「恵方巻き」も最近になって全国区の習慣になりつつあります。地方によって節分にもいろいろな習慣があり、日本の民俗学でも研究されていますので、これからも新しいアレンジが加わるかもしれませんね。
中国では「春節」の習慣で、1年の始まりと春の訪れを祝いますが、日本では旧暦のお正月を祝う習慣があまり発達しませんでした。もしかしたら、節分があったからなのかもしれませんね。逆に、中国では春節が盛んなので、節分という習慣が生まれなかったのかもしれません。