日経コミュニケーション
発行日 2012年12月号
タイトル LTEの速度を制限する通信量 7Gバイトに設定したのはなぜ?
サブタイトル KDDIに聞く
KDDIと沖縄セルラーが9月にLTEサービスを開始した。下り最大75Mビット/秒を定額で利用できるが、各月の通信量が7Gバイトを超えると通信速度が128kビット/秒に制限される。なぜ、上限値が7Gバイトに設定されたのだろうか。
ほとんどのユーザーをカバー
競合事業者の動向も参考に
背景
KDDIと沖縄セルラーは9月21日、iPhone 5の発売に合わせて、LTEサービス「4G LTE」を開始した。下り最大75Mビット/秒という高速通信を月額5985円で利用できる定額通信サービスである。ただし、各月の通信量が7Gバイトを超えると、通信速度が128kビット/秒に制限される。7Gバイトを超えて高速通信を利用したい場合、2Gバイトごとに2625円を支払う「エクストラオプション」に加入することになる。また、iPhone 5向けの目玉の1つとして、テザリングオプションにも対応した。月額525円で、スマートフォンの無線LANを使って端末を5台まで(4G LTE対応機種により最大接続数は異なる)収容し、3G/LTEでインターネット接続を提供する。また、通信速度制限が適用される通信量が500Mバイト追加され、7.5Gバイトまで利用できるようになる。
トラフィックが一定量を超える場合に通信速度を制限するのは、ほとんどのユーザーにとってリーズナブルな料金の定額サービスを提供するためです。私たちとしては、完全に定額で、ユーザーに納得して支払っていただける料金水準があると考えています。しかし、ごく一部のヘビーユーザーが大量のトラフィックを発生させると設備容量がかさんで、そうした水準の定額サービスではネットワークが維持できなくなります。
そこで、通信速度の制限を開始する上限値として、ほとんどのユーザーにとって気にしなくても済むトラフィック量を設定しました。通信速度の制限を解除し、上限値を超えて利用したいヘビーユーザーには追加料金を支払っていただく「エクストラオプション」という形にしたのです。
ユーザー数や競合他社を目安に決定
トラフィック量に応じた速度制限は、大きく分類して2種類があります。1つは、短期間に大きなトラフィックが発生し、ネットワークに対して大きな負荷をかけるのを防ぐための制限です。これは、3日間で一定量のデータ通信を発生したユーザーに対し、一時的に通信速度制限を設けるというものです。こちらは、ネットワークを保護するのが主な目的です。
もう1つは、月間の通信量によって速度制限するもので、設備容量を抑え低廉な定額サービスを維持するのが主な目的です。今回の7Gバイトの制限はこちらに入ります。
後者について、当社が初めて適用したのは、3GとWiMAXの両方が使える「+WiMAX」です。このときは、速度制限を適用するトラフィック量を5Gバイトとしました。この数値は、大半のユーザーが制限容量内に収まるレベルを想定して決めました。実際の利用状況でも、95%以上のユーザーが容量内に収まっています。
これに対し、今回のLTEサービスでは、速度制限を適用するトラフィック量を7Gバイトとしました。この値にしたのは、次のような理由があります。
まず既存サービスである+WiMAXとの比較です。LTEは+WiMAXより高速なネットワークで広いエリアをカバーしており、周波数容量などの観点で既存の3G網へ与える影響が小さいことから、2Gバイト分程度の余裕はあると判断しました。
もう1つ重要な要素として、LTEサービスで先行するNTTドコモが速度制限をかけるトラフィック量として7Gバイトを採用していることも参考にしました。競合他社の施策にどう対応するかは、サービス仕様の決定において重要な要素であることも事実です。
7Gバイトという容量は、パケットに直すと約5800万パケットになります。YouTubeの視聴を例にすると、1カ月に約3500分の動画を視聴することに相当します。なお、当社では当月中に利用したトラフィック量が6Gバイトおよび7Gバイト(テザリングオプション加入時は7.5Gバイト)を超えた翌日にSMS(Cメール)にて利用者に知らせています。
ユーザーニーズを考慮したテザリング
今回のLTEサービスの特徴は、テザリングオプションです。月額525円を追加すれば、速度制限なしで利用できるデータ通信量が500Mバイト増え、7.5Gバイトになります。なお、2012年12月31日までに申し込むとキャンペーン特典として最大2年間無料となります(無料期間中は追加容量なし)。
テザリングを利用するユーザーはトラフィック量が増える傾向があるため、ヘビーユーザーには応分の負担をいただくという観点から、追加料金を月額2000~3000円に設定すればよいという考え方もあります。しかし、iPhoneのテザリングについては、電車の中でちょっと使いたい、といったライトな使い方が多いと想定しています。そういったニーズに応えるために、ぎりぎりの料金として525円を設定しました。また、トラフィックの増加や、テザリングオプションを利用しないユーザーとのバランスを考慮し、追加容量を付けることとしました。
(岡本輝幸=コンシューマ事業企画本部 次世代ビジネス戦略部 料金制度グループリーダー 課長)
LTEの速度を制限する通信量 7Gバイトに設定したのはなぜ?
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不错,比较详细。3家里面,软银基盘最弱
-老妖老公-
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12/25/2012 postreply
08:02:12