最大積雪は3.38メートル(89年4月27日) 根处是
気象庁富士山測候所が72年の有人観測の歴史に幕
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標高3776メートルの頂にある気象庁富士山測候所の観測が自動化され、残っていた職員4人
が1日、下山した。72年にわたる日本一高い有人観測の歴史に幕が閉じた。
観測は32年7月1日に始まった。4、5人で1班を作り、食料品などを背負って登り、約3週間ご
とに交代した。
「富士山頂で仕事がしたい」と気象庁に入り、20年近く観測にあたった静岡県伊東市の平井泰
世さん(71)は、61年の第2室戸台風を山頂で迎えた。最大瞬間風速69.4メートル。「外に出
ると息ができなかった。拳ぐらいの石が飛んでいった」
記録に残る最低気温は氷点下38.0度(81年2月27日)、最大積雪は3.38メートル(89年4月
27日)。66年の台風26号では、当時の測器で最大瞬間風速91.0メートルを観測した。
(中略)
1日朝、ふもとの御殿場基地事務所から、滝沢袈裟夫12539;富士山測候所長(59)が山頂に向かっ
た。「職員の危険がなくなりほっとする気持ちと、愛着のある職場がなくなる名残惜しさを感じる」
と語った。
72年間で山頂に勤務した職員は700人以上。当直の職員が毎日、観測記録や山頂の気象、思
いを書きつづった「カンテラ日記」は40冊を超えた。
